背景
アジア・太平洋地域における海洋秩序を維持することは、アジア各国のエネルギー輸送、水産・鉱物資源の開発等の観点から必要不可欠です。このため、アジア・太平洋地域の各国の海上保安能力の維持向上を図ることはもとより、各国が連携を図り、地域全体としての海上保安能力の向上を図る必要があります。
このような状況を受けて、平成19年、シンガポールで開催された第3回アジア海上保安機関長官級会合においては、アジア各国の海上保安機関間の協力を促進し、各機関の能力向上を図るため、人材育成に関する事項を最優先で議論することとする共同宣言が採択されました。
こうしたことから、海上保安庁、海上保安協会及び日本財団が協力し、平成23年4月から、アジア地域唯一のコーストガード・アカデミーである海上保安大学校において、人材育成の強化を目指したプログラムを、アジア各国の海上保安機関の初級幹部職員に対し実施することとなりました。
目的
本プログラムでは、海上保安機関幹部候補職員の育成に十分な実績と経験を持つ海上保安大学校のリソースを活用し、アジア各国海上保安機関の初級幹部職員の海上保安業務に関する能力向上並びに専門的な知識の習得を目的としています。
また、本プログラムを通して、アジア各国海上保安機関間の連携・信頼関係を構築し、協力関係の推進を図るとともに、海上保安大学校がアジアの海上保安分野における人材育成の国際拠点となることを目指します。
特徴
- アジア初となる多国の海上保安機関職員を対象とした総合的かつ体系的なプログラム
- 各国の現状とニーズに係る徹底調査に基づいたカリキュラム
- 国際社会で活躍する人材育成のための英語による講義実施
- 多様で豊富な講師(海上保安大学校教官、海上保安庁職員、各分野の専門家、有識者等)
- 本研修に海上保安庁職員が参加することにより、我が国とアジア各国海上保安機関との連携を強化
対象者
アジア各国の海上保安機関の初級幹部職員を対象とします。
平成25年度は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、及びベトナムの4カ国及び我が国の海上保安庁職員が参加します。
修了認定
目標水準に到達していると判断された研修生に対しては、海上保安大学校長名で修了認定を行い、本講座の修了式において修了証を授与します。
カリキュラム
本プログラムに基づく研修のカリキュラムは、次の内容から構成されます。また本プログラムの教育体制は、全体調整の役割を担う研修指導員の下、海上保安機関幹部候補職員の育成に十分な実績と経験を持つ海上保安大学校の教官が中心となり、実務系科目については海上保安庁職員等が、さらに一部の科目については当該分野で高い実績を持つ国内大学教員等が部外講師として参加する、多様で豊富な講師陣で構成されています。
海事・安全分野 | 海上警察分野 |
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