研修施設
本研修は、海上保安機関幹部候補職員の育成に十分な実績と経験を持つ海上保安大学校(広島県呉市)を主たる授業・演習施設とします。さらに、関係機関等の見学、調査、体験乗船等も随時実施します。
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海上保安大学校 |
講義用教室 |
海上保安シミュレーションセンター |
研修生
平成25年度はインドネシア、マレーシア、フィリピン、及びベトナム各国の海上保安機関から4名の研修生と、日本の海上保安庁から2名の研修生が参加します。
国 | 組織 | 年齢 | 性別 | 階級、職名等 |
---|---|---|---|---|
インドネシア | 海運総局 | 32歳 | 男性 | 海上防災担当 |
マレーシア | 海上法令執行庁 | 26歳 | 男性 | 海上保安部捜査専門官(大尉) |
フィリピン | 沿岸警備隊 | 33歳 | 男性 | 特別部隊司令官(中尉) |
ベトナム | 沿岸警備隊 | 27歳 | 男性 | 第一方面本部勤務(大尉) |
日本 | 海上保安庁 | 25歳 | 男性 | 三等海上保安正(少尉相当) |
26歳 | 男性 | 三等海上保安正(少尉相当) |
プログラムの実施予定
平成25年度の年間スケジュールは、次のとおりです。
月日 | 実施内容 |
---|---|
5月14日 | 研修生来日 オリエンテーション |
5月22日 | 開講式 研修開始 |
6月3日–13日 | 東京地区現地研修 海上保安庁訪問 日本財団訪問 |
7月24日–26日 | 鹿児島地区現地研修 |
9月17日–20日 | 沖縄地区現地研修 |
10月2日–4日 | 関西地区現地研修 |
10月22日–30日 | 関東地区現地研修 |
11月26日 | 来島海峡海上交通センター現地研修 |
12月18日 | 門司地区現地研修 |
12月19日–22日 | 練習船乗船研修 |
2月12日–16日 | 北海道地区現地研修 |
2月24日 | 閉講式、研修終了 |
2月25日 | 海上保安庁 日本財団 を訪問、研修終了を報告 |
2月28日 | 研修生帰国 |
プログラムの実施状況
[2014年2月28日] 研修生帰国
インドネシア、マレーシア、フィリピン、及びベトナムから参加した研修生は、9カ月前に来日した成田空港から、それぞれの国に旅立ちました。満面の笑みを浮かべ。
ご安航を祈っております!
心は母国へ |
[2014年2月25日] 研修終了を海上保安庁幹部に報告
研修生は、離日を前に海上保安庁を訪れ、長官ら幹部に研修の修了を報告しました。
最初に佐藤長官から、「9カ月に及ぶ研修を優秀な成績で修了したことに敬意を表します。研修で学んだ知識や技術を自国で生かして欲しい」という挨拶がありました。
各研修生は、「研修で築いた人間関係を今後も継続したい」等、研修の成果を報告しました。
また「日本の食べ物でおいしかったものは?」という幹部からの質問に対し、「焼き鳥」、「広島のお好み焼き」と日本語で答える海外の研修生もあり、滞在中は研修面のみならず生活面でも有意義な時間を過ごせたことが窺えました。
研修成果を幹部に報告 |
幹部と記念写真 |
[2014年2月25日] 日本財団を訪問
研修生は、離日を前に日本財団を訪問し、海野常務理事に研修の修了を報告しました。
最初に研修生ひとりひとりが、9カ月に及ぶ研修の成果を報告しました。
次に海野常務理事から次のような言葉がありました。
•母国だけではなく、アジアの海上安全を担うため、国際社会の中で活躍して欲しい。
•それぞれの組織のリーダーとなり、自分のため、他人の幸せのために貢献出来る人材となって欲しい。
•決意だけではなく、実行して欲しい。
•このプログラムは、知識・経験を得ることだけが目的ではない。各国の仲間、支援した人が一緒になり、課題を解決したということが大きな成果であり、このつながりをこれからも維持して欲しい。
•皆さんが今以上に良い顔になり、世界のどこかで再会出来ることを楽しみにしている。
最後に海野常務を中心に記念写真を撮り、日本財団を後にしました。
研修の成果を報告 |
海野常務と記念写真 |
[2014年2月24日] 第三回アジア海上保安初級幹部研修終了
第三回「アジア海上保安初級幹部研修」の閉講式が、海上保安大学校で開催されました。大学校長からインドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、および日本の研修生6名それぞれに、修了証書と記念品が手渡されました。マレーシアの研修生は、特に成績が優秀だということで、優秀賞と記念品を受けました。
昨年5月22日に行われた開講式から9か月を経た同研修が、無事に終了しました。
証書と記念品の授与 |
証書と記念品の授与 |
証書と記念品の授与 |
証書と記念品の授与 |
証書と記念品の授与 |
証書と記念品の授与 |
大学校長の式辞 |
記念撮影 |
閉講式のあと、研修生歓送会が行われました。冒頭行われた副校長の挨拶では、長期間の研修をやり遂げた研修生への慰労と、研修を通じて培われた人と人とのきずなを今後も大切にしていくこと、そしてそれぞれの将来の活躍への激励の言葉が述べられました。
副校長の挨拶 |
歓談中には、研修時の思い出の画像が披露され、9か月の研修生活を振り返りました。その後、各研修生が挨拶を行い、受入側への感謝の気持ちと、今後の抱負を述べました。
挨拶する研修生 |
挨拶する研修生 |
挨拶する研修生 |
挨拶する研修生 |
挨拶する研修生 |
挨拶する研修生 |
研修生は、お世話になった教官方や、練習船の乗船実習で特に交流を深めた海上保安大学校の学生たちと、呉での最後のひとときを名残惜しみながら楽しく過ごしました。
海上保安協会理事長賞の授与 |
最後に、研修指導員から研修成果を挙げた研修生へのねぎらいと感謝が、また研修の実施に携わった関係者への感謝の言葉が述べられました。
研修指導員の挨拶 |
全員で記念撮影 |
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[2014年2月24日] 成果発表会が行われました
研修生は海上保安大学校での研修最終日に、海上保安大学校校長をはじめ教官方の列席を得て、研究の成果を発表しました。研修生は、研修期間をとおして、各自が選んだテーマについて、大学校教官や研修指導員などの指導を得て、研究を行ってきたものです。
発表内容について、会場からは様々な質問が出ましたが、研修生はしっかりとそれらに答えていました。また、有益な助言も得ることができました。
発表する研修生 |
発表する研修生 |
発表する研修生 |
発表する研修生 |
発表する研修生 |
発表する研修生 |
質問に答える研修生 |
活発な質疑応答が行われました |
[2014年2月12日–16日] 北海道現地研修旅行
北海道は、日本で一番広い都道府県であり、また本州に次いで二番目に大きな島です。2014年2月に、この地へ赴きました。
広島からの長旅のあと、北海道の寒さを実感することになりました。宿舎へ向かう電車からの車窓は、どこもかしかも雪でいっぱいでした。とてもきれいでした。その後、第一管区海上保安本部へと歩いて向かいました。距離は遠くありませんでしたが、とても寒く、道は滑りやすかったです。
第一管区海上保安本部前にて |
本部長表敬 |
はじめに、本部長を表敬しました。それから、第一管区海上保安本部の業務概要について説明を受けました。当地の気候は、他の管区より厳しく、職員の業務もいろいろな点で特有なものがあることがわかりました。当該管区には、砕氷船があります。
翌日朝7時15分に、宿舎を出て、千歳航空基地へ向かい、そこから根室へ飛びました。私自身は、かつてベトナムコーストガードの航空機に搭乗していましたが、今回、海上保安庁の航空機で飛ぶのはみんなにとって初めてのことでした。とても素晴らしい経験でした。飛行中、海上保安庁職員の海氷調査の業務や、海氷の状態を見せていただきました。低空飛行のため、揺れることもありましたが、誰も乗り物酔いせず、搭乗を終えることができました。
搭乗前に機体とともに |
海氷の観測 |
根室は、静かな町で、漁業が盛んです。景色が素晴らしく、特に、海産物が新鮮でおいしいところです。初めてクジラの刺身をいただきました。
翌朝、根室保安部を訪れました。保安部長を表敬したあと、業務概要についての説明を受けました。その後、納沙布岬と北方館を訪れ、日本とロシアの間の島に関する歴史と現状について理解を深めることができました。午後、巡視艇に同乗し、業務を見学させていただきました。根室保安部の職員の方々はとても親切且つ友好的で、翌朝は、帰路につくところを、宿舎へ迎えに来て、凍結した風連湖やネイチャーセンターの見学へ連れ出してくれました。そこで、いろいろな野鳥やワシを見ることができました。
納沙布岬にて |
巡視艇から島々を眺める |
[2013年12月19日] こじま乗船研修
12月19~22日に、練習生こじま乗船研修がありました。こじまは、海上保安大学校の練習船で、全長115メートル、総トン数3,136トンの、世界でも最大級の練習船です。こじまは、遠洋航海(世界一周)実習や国内航海実習など、海保大生の訓練に使用されています。およそ40名の学生が乗船実習を行っていました。我々AJOC研修生は、この乗船実習を見学し、また学生とともに船上生活を体験しました。
まず驚くのは、「清掃」です。学生たちは、船を大変きれいに清掃し、居室をきちんと整えておかなければなりません。常に船を清潔にしておくことは、海上保安官として「常に備えあり」とすべく、士官候補生の基本です。我々も学生と一緒にこじまの清掃を行いました。
一方、乗船時の楽しみと言えば、食事です。こじまの食事は大変おいしく、これが学生たちのやる気を保つ一因にもなっているようでした。
学生は、航海、機関、情報通信の3つの課程に分かれており、本航海中にそれぞれの課程でどのような訓練が行われているかを知ることができました。学生たちは、こじまの教官方によく訓練されていました。いずれの課程においても、当番学生全員の円滑なコミュニケーションが大切です。さもなければ、学生間に誤解が生じ、それによって船を危険な状況にさらすかもしれないからです。機関課程において、学生がエンジンやその他の機械を点検する際には、五感すべてを使い、点検箇所を指差し確認していました。ミスを回避するために多くの対策が採られていました。こじまの乗船実習は、学生が教室で学んだ知識を実践する大変良い機会のようでした。
乗船実習の最終日、曳航訓練を見学しました。曳航は最も危険な訓練のひとつであり、学生たちはいつもにも増して真剣に訓練に取り組んでいました。こじま乗船実習では、曳航訓練の他にも、消火や捜索救助など多くの訓練が行われているとのことでした。学生は、航海技術のみならず、起こり得る様々な事故に対応する技術も身につけなければならないのです。
一方、教官側も重責を担っています。緊張感を保ちながら、学生に乗船業務のノウハウを教え込むべく最善の方法を検討するのは、大変な責務だということがよくわかりました。
今回の乗船研修は、海上保安大学校の訓練体系を知る大変貴重な経験でした。グローバル化の中、本研修のような、他国の海上保安機関との交流が、今、アジア諸国の海上保安機関にとっては必要不可欠なプログラムになるかもしれません。
こじまに乗船する研修生 |
通信士による講義を受ける研修生 |
海図を見る研修生 |
海図を見る研修生 |
下船式にて研修生代表のあいさつ |
記念写真 |
[2013年12月18日] 門司海上保安部現地研修
クリスマスの1週間前に、AJOC研修生は関門海峡にある門司海上保安部を見学しました。関門航路は、一日平均おおよそ500隻の船舶が東西を往き来する重要な海峡のひとつであり、外国船舶や内航船が瀬戸内海を通り抜ける航路です。当地は、もっとも交通量の多い航路のひとつでもあり、海上保安庁は海峡沿いに(西へ航行する船舶なら)少なくとも5つのルートの安全航行の確保に努めています。
海上保安部へ到着した研修生は、保安部から見える霧雨の降る「関門橋」の景色を眺めることができました。保安部長を表敬し、温かい歓迎を受けました。
まず初めに、講義室にて、次長(交通・航安担当)から門司海上保安部の業務概要説明を受けました。システムに始まり交通規則や灯火など、その詳細についてお話いただき、大変興味深い講義でした。関門海峡の特徴や、海運業にとっての同海峡の重要性がよくわかりました。研修生それぞれが航行安全や海事にかかる質問をし、質疑応答をとおして更に理解を深めました。
その後、巡視艇ともなみに乗船するために巡視艇の係留地へ向かいました。関門海峡の実際の海上交通の状況を見学するためです。研修生は全員、船橋内で着席して、巡視艇の航行中、職員の方からの説明を聴きました。
輻輳した関門海峡において、海上交通システムがいかに運用されているのかを知り、本当に驚きました。事前の講義説明でお聞きした内容を、実際に自分の目で見ることができ、まさにその通りであるのがよくわかりました。関門海峡海上交通センターによって適切に管理されているように、すべてのガイドラインの計画的な実施と導入が、厳密に守られていました。また、船舶が安全に航行できるように、灯浮標や標識が設置されているのも印象的でした。日本の重要な海峡において安全航行を維持するため、このようなシステムには、精度のみならず、海上保安庁職員のプロ意識が必須です。
下船後、保安部に戻り、別れの挨拶をしました。海上保安能力の維持と向上のために様々なシステムについて学ぶ研修プログラムにおいて、今回の現地研修は、本当に忘れられない経験となりました。
門司への往路に事前打ち合わせ |
巡視艇ともなみ船内での講義 |
関門海峡の視察 |
下船後の集合写真 |
[2013年12月6日] 剣道部の学生と交流
研修生は、海上保安大学校学生との交流活動の一環として、剣道部の稽古に参加しました。
学生の剣道着を借用して身につけた研修生は、なんとなく“サムライ”になった気分で剣道場に集合しました。剣道着を着て、板の間の道場に素足で立ち、竹刀を持つと気持ちがピシッと引き締まります。
早速、竹刀の持ち方から、剣道独特のすり足、素振りなどを学んだあと、面と胴の防具をつけた学生を相手に“メン”、“ドウ”の勇ましい掛け声とともに打ち込みの稽古をしました。中には、防具をつけているとはいえ、女性を棒(竹刀)で叩くのを躊躇する研修生もいました。
1時間ほどの稽古でしたが、楽しみにしていた剣道だけに、一生懸命に取り組み、足の裏と竹刀を持つ手にマメができてしまう程でした。
最後に、有段者の男子学生と女子学生の試合稽古を見学しましたが、激しい鍔ぜり合いや掛け声など、気迫溢れる試合ぶりには圧倒されてしまいました。
日本古来の文化でもある剣道に体験的に触れることができた研修生は、貴重な思い出を作るとともに“サムライ”の雰囲気をちょっとだけ味うことができました。
剣道着を身につけ“サムライ”の気分 |
竹刀の持ち方から |
“メン”でも、女性を棒で叩くのは・・・ |
“ドウ”気合が入ります |
男子学生と女子学生の試合稽古見学 |
記念の集合写真 |
[2013年11月26日] 来島海峡海上交通センター
日本はそのすべての海峡において、海上交通の維持と管理がなされていることで有名です。その結果、日本の周辺、特に輻輳した重要な海峡において、船舶事故の発生を最小限にとどめています。海上交通の適切な管理により、モノの輸出入にかかる船舶の流れが確保されます。また、環境への負荷も少なくすることができます。
来島海峡大橋 |
橋のケーブルの直径 |
2013年11月26日に、AJOC研修生は、海上保安庁海上交通センターの機能と役割を学ぶために、来島海上交通センターを訪問する機会を得ました。同センターを訪問し、現地研修を受けることができ、とても幸運でした。短い概要説明の後、同センター内を見学し、その運用システムについて、特に最も重要である円滑な交通の流れを確保する機能について、詳しい説明を受けました。
同センターの設備やシステムだけではなく、円滑な交通の流れを保つのに重要な役割を果たす海上保安庁職員の方々の技術の素晴らしさに、研修生全員が感銘を受けました。来島海峡の特異な航行規則は、船員の間ではよく知られています。「北流時は右側航行、南流時は左側航行」というものです。これは、来島海峡にのみ適用されている大変難しい航行規則であり、交通の流れと安全を確保するために海上保安庁職員による最大限の注意を要します。
通信の演習を体験する研修生 |
記念集合写真 |
船舶と海上交通センター間のやりとりについて、オペレーターの方から口頭説明を受けたほか、実際に通信機器を操作して訓練する体験をさせていただきました。研修生全員が、無線通信での連絡や情報伝達の難しさを痛切に感じていました。通信時に使用する国際標準言語である英語力は言うまでもなく、機器の操作には技術と訓練が必要だからです。
研修生は、大変充実した現地研修を終えることができました。全員が、来島海峡海上交通センターの有効性と効率性を口々に称え、また、海上保安庁職員の方々の大変難しい業務に対するプロ意識や、努力、献身にもとても感心していました。安全な交通の流れにとって、どれだけ海上交通センターが重要であるかを実感することができました。
[2013年11月27日] 柔道部の学生と交流
研修生は、海上保安大学校学生との交流活動の一環として、柔道部の練習に参加しました。
柔道着に着替えるのも躊躇するほど気温が下がりましたが、元気よく柔道場に集合した研修生と学生は、挨拶もそこそこに、柔道部らしい準備運動から練習を始めました。
十分に体を温めたあと、柔道の基本である受身の練習を行いましたが、初めはなかなか思うように体をコントロールできず、体の硬さが目立つぎこちない動きでした。しかし、これまで経験した制圧術と似ていることもあって、すぐコツをつかむことができました。
その後、大外刈り・背負投などの打ち込み練習で柔道の攻撃技を繰り返し練習し、最後に学生或いは研修生同士がペアになって試合形式の乱取りを行いました。乱取りでは、柔道というより本能が勝った闘争心をむき出しにした練習となり、しまいにはすっかり息が上がっていました。
今では柔道も世界的になりましたが、本家の日本で柔道を体験でき、研修生にとっていい思い出になる交流活動でした。
入念に準備運動 |
受身の練習 |
背負投の打ち込み |
乱取り |
乱取り・思わず力が入ります |
記念の集合写真 |
[2013年11月22日] 野球部の学生と交流
研修生は、海上保安大学校学生との交流活動の一環として、野球部の練習に参加しました。
数日来の低温と強風も去り、当日は穏やかな日和となりました。野球場に集合した研修生と学生は、自己紹介を簡単に済ませたあと、ゆっくりとグランドを2周ほどランニングして準備運動としました。
次いで、キャッチボールで肩を慣らし、その後、内野の守備についてのシートノックと練習のレベルを上げていきましたが、器用にグラブを操り、ダブルプレイの送球もなかなか見事でした。
最後にバッテングの練習を行いましたが、ヒット性の当たりを連発する研修生がいれば、片や何回振ってもさっぱりバットに当たらない研修生がいたりで、笑いの絶えない楽しい練習でした。
一時間ほどの練習のあと、お互いにエールを交換して記念写真を取り、今後の健闘を誓いました。
始めに自己紹介 |
ランニングで準備運動 |
キャッチボールで肩慣らし |
シートノック |
バッテングの練習 |
記念の集合写真 |
[2013年11月16日] ヨット部の学生と交流
研修生は、海上保安大学校学生との交流活動の一環として、ヨット部の練習に参加しました。当初は、スナイプクラスの2人乗りのヨットに乗る予定でしたが、気温・海水温もかなり低くなったので、転覆時の危険性を考慮して定員10名のクルーザー“Sea Princess”に乗船することになりました。
出港準備に忙しく動き回る学生の中、艇庫前に集合した研修生は、指導学生による乗船中の注意事項の説明を受けたあと、ライフジャケットを着用してクルーザーに乗り込みました。
当日は、夜半からの雨もすっかり上がって、比較的暖かい陽気と程よい風が吹きだしたのでクルージングには絶好の日和となり、呉湾を颯爽とセーリングすることができました。流石に研修生は皆海の男だけに、クルーザーにもすぐに慣れ、学生ともすっかり息の合ったところを見せました。
久しぶりに海に出た研修生は、潮の香りを浴びるとともに風光明媚な呉湾のクルージングを楽しむことができ、学生とも海と船を通じた心の通い合う楽しい交流活動ができました。
乗船前の注意事項説明 |
呉湾でのセーリング |
呉湾でのセーリング |
記念の集合写真 |
[2013年11月6日] ラグビー部の学生と交流
研修生は、海上保安大学校学生との交流活動の一環として、ラグビー部の練習に参加しました。グランドは、横の桟橋に“練習船こじま”が停泊しており、その向こうには呉湾をはさんで江田島の古鷹山が見えるという絶好の位置にあります。
お互いに自己紹介をしたあと、広いグランドを駆け回るので、怪我や事故防止のために準備運動を入念に行いました。ラグビー特有の楕円形のボールを、回転をかけてまっすぐに投げる練習や、パス回しなどの基本的な練習をしっかりしたあと、広いグランドを駆け回ってランニングパスの練習などを繰り返しました。
元気な研修生も、流石に最後は少しバテ気味になってしまいましたが、学生と一緒に広いグランドを思い切り走り回って汗を流し、心地よい疲れとともにスポーツを通じた楽しい交流活動ができました。
始めに自己紹介 |
まずは準備運動から |
ボールの投げかた |
パス回しの練習 |
ランニングパスの練習(奥の高い山が古鷹山) |
練習船をバックに記念写真 |
[2013年10月28日–10月29日] 関東地区研修旅行 第二週目
二度目の東京地区現地研修の第二週は、海上保安庁本庁の運用司令センター訪問から始まりました。本庁を訪れるのはこれで二回目です。今回は、海上保安庁の「中枢」である運用司令センターの機能と役割の概要について学びました。同センターは、中央司令センターであり、監視、報告、調整、指揮機能を有しています。ここに、すべての情報(海の緊急通報118番、遭難・安全通信システム (GMDSS)、船舶警報通報(SSAS)、船位通報制度(JASREP)、人工衛星による送信現場映像など)が集められます。これにより、海上保安庁は海難に関する最新情報を入手し、24時間体制で対応することができます。巡視船艇や航空機と連携して、迅速な初動対応を行います。重大な海上災害が発生した場合には、同センターは直ちに内閣府、国土交通大臣や幹部に報告するとともに、総合対策本部を設置することになっています。また、航行警報テレックス(NAVTEX)のシステムを使って、海上安全情報も提供しています。
海上保安庁の訪問が終わったあと、およそ一時間かけて、次の訪問地である立川市へ移動しました。都心の西40キロに位置する立川市に、海上保安試験研究センターがあります。同試験研究センターでは、以下の項目についての研修を受けました。
1. 海上における事件の捜査にかかる船舶塗膜片の鑑定
2. 薬物、偽札、偽造パスポートの鑑定
3. 海上における事件の捜査にかかる電子データの復元
4. 海上における事故の原因となる金属損傷・疲労の鑑定
5. 海洋汚染と対応器材の研究
6. 航路標識の研究
7. 曳航水槽と風洞を用いた船舶と設備の研究
金属の研究室を見学 |
紫外線の下でカラフルな模様が映るパスポート |
偽造パスポートの鑑定についての説明時には、本物と偽物を見分けるべく、自分のパスポートを取り出して、紫外線を照射してみる研修生もいました。そこで、パスポートの中には、紫外線の光を当てたときにだけ模様が現れるパスポートがあることを知りました。今回の訪問により、科学研究と科学捜査の重要性を学びました。
曳航水槽を見学 |
試験研究センターの方々と記念写真 |
霧雨の降る火曜日の朝、お台場にある海上保安庁海洋情報部を訪問しました。お台場は、東京湾内の巨大な人工島で、レインボーブリッジで都心とつながっています。海洋情報部は、1871年の設立以来、様々な水路測量や海洋観測を実施し、海図や水路書誌などを刊行しています。測量結果や、それをもとにつくられた作製物は、刊行者やインターネットなどを通じて、船舶関係者に提供されます。
海図は海洋測量の成果のひとつ |
3D眼鏡で見る3D等深図 |
海洋情報部の担当者から、海洋情報部の業務(下記)説明を受け、施設見学をしました。
1. 海上安全情報
2. 水路測量
3. 日本海洋データセンター
4. 海洋観測
5. 国際協力
6. 測量船と設備
現地研修の目的のひとつは、海上安全のための中心システムを学ぶことであり、今回の視察により、海洋測量にかかる知識を深めることができました。
コンテナターミナルを見学 |
日本郵船コンテナターミナルの方々と記念撮影 |
最後の訪問先は、日本郵船の大井コンテナターミナルでした。ここでは、港湾作業における安全、セキュリティ、環境保護について学びました。日本郵船は、2006年に行った海賊対策合同演習や2011年の事故対応合同訓練など、海上保安庁と合同演習を行っているとのことでした。
今回の研修旅行は、とても有意義かつ実りあるものでした。
[2013年10月22日–10月25日] 関東地区研修旅行 第一週目
秋になり過ごしやすくなってきました十月末に、関東地区の現地研修を受けました。
横浜機動防除基地では、海上に排出された油や危険物等の防除措置及び海上火災に対する対応等について、実際の資機材を用いた説明を受けました。研修生からは機器の取扱いだけでなく、航空機や船艇との効果的な連携方法等についての質問が出され、機動防除隊の意義について理解を深めることができました。
機動防除隊の隊員と記念撮影 |
横浜海上保安部長を表敬訪問 |
横浜海上保安部では、はじめに業務の説明を受け、横浜海上保安部に附設されているプール、射撃場、柔道場等の訓練施設、防災・災害対応施設等を見学しました。特に潜水訓練用のプールについては、実際に近い状況を再現できるよう配慮されており、充実した訓練ができる設備であることに驚きました。
海上保安資料館横浜館には、2001年12月に九州南西沖で自爆した北朝鮮工作船が展示されており、研修生は特に、展示されている大量の武器に興味を示しながら、見学しました。
北朝鮮工作船を見学 |
第三管区海上保安本部では、本部長を表敬訪問し、将来の役に立つように管区内の諸施設をよく見学し、実りの多い研修にしてもらいたいとの激励をいただきました。その後、消防機能強化型巡視艇“はまぐも”に乗船し、東京湾の主要航路である浦賀水道と中ノ瀬水道のしょう戒に同行させていただき、実際に航路の様子を見学できました。
羽田航空基地では、業務概要説明を受けた後、格納庫に移動し、最新の回転翼機を見学することができ、装備機器等についての知識を深めることができました。
また、特殊救難基地では、隊員たちが考案した装備についての説明を受け、研修生の中から「実践の中で要求されることを分析し、改良につなげていく精神は見習わなければならいと思う。隊員たちの技術もきっとこれら新装備同様、創立以来の蓄積によって改良されてきたものにちがいない。」との感想がありました。
週末は台風の接近に伴い、生憎の雨になってしまいました。また夜中に震度3の地震が発生し、初めて地震を経験した研修生にとっては不安な時を過ごすことになりましたが、大きなトラブルに見舞われることなく第一週目を終了しました。
[2013年10月21日] ソマリア海賊についての特別講義
AJOCの研修生は、英国のグリニッジ大学から招へいされたKiourktsoglou氏から、「ソマリア海賊のビジネスモデル分析」と題した特別講義を、海上保安大学校の国際業務課程の学生とともに受けました。
Kiourktsoglou氏は、ソマリアの海賊について、多くの統計資料を用いて詳細に説明し、その分析を行いました。また、海賊ビジネスのしくみについても、具体的な説明が行われました。今回の特別講義により、受講者はソマリア海賊問題に関する新たな視点を得ることができました。
様々なデータによる詳しい説明 |
質問する研修生 |
複雑な問題を詳細に説明 |
果たして、解決策は |
[2013年10月18日] テニス部の学生と交流
研修生は、海上保安大学校学生との交流活動の一環として、テニス部の練習に参加しました。
当日は台風直後の秋らしい日和で、校内のテニスコートに集まった研修生と学生は、始めに、学生は英語で研修生は日本語で自己紹介を行い打ち解けた雰囲気を作りました。その後、乱打で練習を始めましたが、なかなか思いどおりの方向にボールが飛ばず苦労しました。しかし、ほどなく要領をつかみラリーが続くようになったので、学生とペアを組んでダブルスの試合をしました。試合では、ラケットを思い切り振り回して打ったボールが狙ったところとは違うミラクルショットになるなど、親睦にふさわしい楽しい交流活動になりました。
しばしいい汗をかき、最後に、お互いにエールを交換し、みんなで記念写真を撮りました。
始めに自己紹介 |
乱打で腕慣らし |
学生とペアで試合 |
みんなで記念写真 |
[2013年10月11日] 浮遊油識別方法について学ぶ
複数の船舶がいる海上で浮遊油が発見された際、その油がどの船から排出されたものかを特定する必要が生じます。研修生は今回、この油を識別する方法について講義を受け、実験を行いました。
今回学んだものは、クロマトグラフィーを用いて簡易的に浮遊油を識別する方法で、研修生自身が、実際にサンプルを使って、手順通りに実験し、識別を行いました。
手順を確認する研修生 |
実験中 |
慎重な作業 |
実験結果を見る研修生 |
[2013年10月10日] アジア海賊対策に関する特別講義
AJOCの研修生は、アジア海賊対策に関する特別講義を、シンガポールにあるアジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)から招へいした二名の講師から受けました。
はじめに、海上保安庁から同センターに派遣されている松村氏から、アジア海賊対策地域協定情報共有センターの概要と、その組織やネットワーク体制、さらに同センターの活動について説明が行われました。その中で、海賊問題への対処は、一か国だけの取り組みでは困難であり、いかに関係機関の間の情報共有が重要であるかということが述べられました。
次に、インド沿岸警備隊出身のドグラ氏が、海賊と武装強盗について説明し、最近の海賊の傾向と特徴について概説しました。
講義後の質疑応答では、研修生から多くの質問が出され、様々な事例について活発な討論が行われました。
ReCAAP ISCについての説明を受ける |
講義と討論 |
講師と記念撮影 |
昼食の間も意見交換を続ける |
[2013年10月2日–10月4日] 関西地区研修旅行
今回、私たち研修生は10月2日から4日の日程で、関西地区の研修として、関西空港海上保安航空基地及び海上保安学校を訪問しました。
吊り上げ救助訓練を見学 |
ヘリコプター内を見学 |
関西空港海上保安航空基地では業務説明を受け、施設を見学しました。この基地は関西空港内にあり、航空機と船艇を併せて所有している点で、他の部署とは違う特徴を持っており、さらに、この基地には機動救難士という、ヘリコプターからの吊上げ救助等を主な任務とした部隊も常駐しています。
関西空港は四方を海に囲まれた人工島上に建設されているため、周辺海域における警備、救助体制を確保することは、利用者の安全と空港の円滑な運用のために不可欠なものとなっていることがわかりました。また、航空機と船艇を一括して運用することが、業務遂行の上で非常に大きな利点となっていることがわかりました。
コックピット内の説明を受ける |
基地職員と記念写真 |
私たちは次に、海上保安学校は京都府舞鶴市にあるする海上保安大学校を訪問し、学校長を表敬し、学校について説明を受けたあと、施設を見学しました。海上での厳しい業務に備え、知識・技能を習得させるだけでなく、心身共に強靭な海上保安官を育成するため厳しい訓練が全寮制のもと行われていました。
現在は約450名の学生が所属しており、その定員は近年増加傾向にあるということで、海上保安機関への国民の期待が大きくなっていることを感じることとなりました。
海上保安学校正門前で記念撮影 |
シミュレーション室について説明を受ける |
練習船みうら操舵室について説明を受ける |
練習船の設備について説明を受ける |
最後に京都で、日本の歴史について学びました。京都は東京に遷都されるまで、日本の首都を成していた場所です。京都には、西暦794年当時の天皇である桓武天皇の命により造営された旧皇居である京都御所があり、私たち研修生はそこを訪れました。京都御所内の建物は、歴史を感じさせる優雅な作りをなしており、日本古来の文化を見ることができました。
京都御所を見学 |
二条城を見学 |
さらに、江戸幕府の初代将軍である徳川家康が、京都御所を守護し、将軍が京都滞在中にはその宿泊所とするために造営し、1626年に完成した二条城も見学しました。二条城はユネスコの世界遺産にも登録されています。この城の各部屋は、綺麗な絵画や装飾が施されており、徳川幕府の絶対的な権力、さらに桃山文化を学ぶことができました。
この見学をとおし、日本文化に対する知識を深め、日本に対する興味が一段と大きくなりました。
[2013年9月27日] 初動捜査実習
研修生は、実務系実践科目の一つとして、犯罪捜査の基本である初動捜査の実習を行いました。
午前中は、海上保安庁刑事課の職員を講師に、犯罪捜査ではその犯罪を立証するための初動捜査がいかに大事であるか、また、その意義や具体的な手順・注意事項等について講義が行われました。
午後からは、犯罪現場に見立てたセットが用意され、広島海上保安部の巡視艇(鑑識業務指定船)の乗組員により、実践的な実習を行いました。
実習では、まず殺人事件を想定した犯罪現場での、立ち入り禁止区域の設定方法、現場保存の基本的な注意事項、写真撮影、血液採証、各種方法による指紋採証、足跡採証等について実務的な手順が一つ一つ丁寧に説明されました。そののち、研修生がそれらを実際に行ってみるという形式で行われました。
初動捜査はその犯罪の解明と公判維持を左右する極めて大切な作業なだけに、手順・手続き等注意点も多く、現場指揮官を期待される研修生にとっては有意義な実習となりました。
初動捜査についての講義 |
現場保存 |
指紋採証 |
指紋採証 |
足跡採証 |
講師の皆さんと記念写真 |
[2013年9月17日–20日] 沖縄研修
9月の第三週に、研修生は沖縄に行きました。世界的にも有名な観光地で、且つ特異な歴史を持つ沖縄行きを、研修生はみな楽しみにしていました。
17日の朝11時40分に、全日空の飛行機で広島を発ち、沖縄本島へ向かいました。
那覇空港に到着後すぐに、広島とは異なる気候と雰囲気を感じました。沖縄は、人が多く混雑し、誰もが休暇中であるかのような楽しい雰囲気でした。天気は良く、風がとても強いので、涼しく、快適でした。
徒歩にて首里城公園へ |
沖縄の歴史と文化を学ぶ |
ホテルに荷物を置いて、首里城公園へ向かいました。「素晴らしい」と「驚き」の二語に尽きます。すべてが驚きでした。首里城内ではすべてが、大変古く、また美しいものでした。上から見下ろした沖縄の眺望は、素晴らしいものでした。1879年に沖縄は日本の県になりましたが、沖縄には琉球王国の長い歴史があります。琉球には独自の言語と風習があります。
ハードな一日の予定を終え、ホテルに戻ったあとで、沖縄の市場を訪れてみることにしました。みんな沖縄の海産物や特産物に興味津々でした。おもしろいことに、市場の中にベトナム料理店を見つけました。お店の名前は「Đảo Nhớ」(小さい島々)です。食事を済ませた後でお腹がいっぱいでしたが、そのベトナム料理のお店で食べることにしました。おいしいベトナム料理をいただきました。「Lùa Mới」(新米)というお酒もいただきました。
第11管区訪問 |
質疑応答の後で記念撮影 |
二日目、第11管区海上保安本部を訪問しました。次長から温かい歓迎を受け、大変光栄でした。多忙な中、我々のために時間を割いていただき、お話を伺うことができました。次に、国境を抱える管区の業務や離島対策、海洋レジャーに係る活動など、の説明を受けました。大変有益な内容でした。
午後は、美ら海水族館を見学しました。エイやサメ、クジラなどのたくさんの水生動物を見ることができました。イルカのショーを楽しめる大変すばらしい施設でした。
息を飲むほどに美しい |
水生動物の偉大さを体感 |
三日目は、特に有意義な一日でした。多くのすばらしい経験をすることができました。午前中、中城海上保安部において部長を表敬しました。業務と勢力についての説明は、とても有益なものでした。また、制圧術訓練を見学し、一緒に実践することもできました。犯罪者を制圧する実習を行いました。加えて、高速ゴムボートに乗り、高速航行を体験しました。そのため、全員びしょ濡れになり、着替えが必要になってしまいました。疲れはしましたが、非常に有益で、なお且つ楽しいものでした。
夕方、第11管区の方々に歓迎会を開いていただきました。本部長も参加され、みなさんと楽しく交流することができ、まるで自分の国に居るかのように感じるくらいでした。食事をするのを忘れるくらい、話し込みました。
制圧術訓練に参加 |
ボートに乗船して実践 |
最終日には、那覇航空基地を訪れました。2時間という限られた時間ではありましたが、離島対策や国境対策、広域な捜索救助などにかかる基地の機能と役割を知ることができました。工作船の事案とその対策についても学びました。
航空基地の現場から学ぶ |
那覇航空基地の前で記念写真 |
研修旅行期間は短かったのですが、沖縄についての多くのことを考え、また思い出も得ることができました。沖縄はとても美しく、素晴らしい島です。日本人研修生は、以前にも沖縄に来たことがあるようでしたが、他の研修生もみな、必ず再訪したいと思っています。
[2013年9月6日] 海洋環境・防災論(燃焼・爆発実験)を受講
研修生は、海洋環境・防災論の授業の一環として、HNS(有害・危険物質)の燃焼・爆発実験を行いました。
HNS事故への対応には対象物質の性質を知ることが大切ですが、この授業では、ペンタン、水素、アセチレン等の爆発下限界(LEL)と爆発上限界(UEL)を体験的に理解するため、屋外での爆発実験を行いました。
物質の濃度が、LEL以下でもUEL以上でも爆発しないことを確認したあと、密閉したポリタンク内の危険物質をそれぞれ固有の爆発可能濃度に調整して点火すると、凄まじい爆発が起こることを実験で確認しました。
研修生は、それぞれの所属機関で、いずれもこの種のHNSの事故対応に当たることが予想されるため、密閉された空間である船舶内でのHNSの取り扱いには、その物質の性質を知ることがいかに大切であるかを学ぶことができました。
実験前の説明 |
ペンタンの濃度調整 |
ペンタン爆発点火 |
水素爆発の実験準備 |
アセチレンの爆発実験 |
爆発威力の確認 |
[2013年7月24日–26日] 鹿児島への研修旅行
今回、私たちは現地研修の一環として、九州最南端の県、鹿児島県を訪れ、第十管区海上保安本部、喜入所在の石油備蓄基地、及び川内原子力発電所を訪問しました。
鹿児島といえば桜島が有名です。その桜島が数日前に噴火し、灰が降っているとの情報を聞いていたので心配でしたが、私たちの願いが届いたのか、鹿児島滞在中にはそのようなことはなく、一安心しました。
警備救難部長による業務説明 |
茶道を体験 |
初日は、第十管区海上保安本部において本部長をはじめ、多くの職員の温かい歓迎を受け、第十管区の組織や業務概要について説明を聞きました。
この地域では、海上保安庁の一般業務に加え、桜島による自然災害対応や、離島住民の緊急時輸送など多種多様な業務があり、さらには国境を抱える管区ということで国際的な業務も多く、改めて任務遂行のため色々な知識が必要だということを認識しました。
業務説明の後には、歓迎会を開催して頂き、茶道を体験し、居合道の演武を見学したあと、さらに会の終盤には鹿児島に古くから伝わるおはら節を職員とともに踊りました。研修生一同、歓迎会を通じ日本の文化に触れるとともに、本部職員の温かさを感じることができました。
居合道の演武を見学 |
達人と記念写真 |
心温まる歓迎を受ける |
|
翌日には喜入にある石油備蓄基地を訪れました。私たちは、急激な社会情勢の変化や不測の事態に備えた石油備蓄施設の役割とタンクやその他の設備などについて説明を受け、さらには実際にそれらを見学もすることもできました。ここでは、万一の火災や油の流出に備えた設備が整えられており、その安全対策についても知ることができました。
備蓄基地着岸中のタンカーを望む |
安全設備(放水砲)を見学 |
最終日には川内原子力発電所を見学しました。同原子力発電所には2基の原子炉がありますが、現在はどちらも停止された状態でした。川内原子力発電所においても安全管理が徹底されており、地震や津波対策のための設備や対応について知ることができました。その中には2011年の福島原子力発電所の事故を受けて増設された設備もありました。
川内原子力発電所を見学 |
この研修旅行では、第十管区海上保安本部の業務について学び、さらには各施設での安全対策について知ることができ、海上保安業務やそのシステムについて勉強している私たちにとっては非常に貴重な体験となり、また研修を続けるうえでの良い刺激となりました。
[2013年7月10日] 水泳部の学生と交流
研修生は、海上保安大学校学生との交流活動の一環として、水泳部の練習に参加しました。
まずは、水着に着替えてプールサイドに集合しました。自己紹介のあと、水に入る前に準備運動を入念に行いました。
研修生は、水泳部の練習メニューを一緒にこなしたあと、学生との混合3チームに分かれてリレーで競争しました。久しぶりに泳いだのか最後は少しバテ気味でしたが、35度を越す夏の暑い日差しの下、みんな元気に泳ぎました。
着替えて集合 |
しっかりと準備運動 |
スイスイ泳ぎます |
リレー競争 |
[2013年7月5日] カッター部の学生と交流
研修生は、海上保安大学校学生との交流活動の一環として、カッター部の練習に参加しました。
まずは、全員で自己紹介をして、次に入念な準備運動を行いました。そのあと、カッターに乗り込み、各自が所定の位置に着きました。
最初は慣れないカッターのオール捌きに苦労し水に取られる場面もありましたが、流石に海上保安機関の若い士官だけあってすぐに慣れ、みんなで声と力を合せて、オールを一生懸命に漕ぎました。終わりごろには、海保大の前面海域を、オールの揃った一艇のカッターが、颯爽と走りました。
入念に準備運動 |
息の合ったオール捌き |
写真をクリックすると大きくなります |
沖の方まで漕ぎました |
みんなで記念撮影 |
[2013年6月27—28日] 学生国際会議に参加
AJOC研修生は、6月27、28日に海上保安大学校で行われた学生国際会議に参加しました。この会議は、海上保安大学校で毎年開催されているもので、今回は韓国及びカナダの海上保安機関の大学から2名ずつの学生が招待されました。
各国学生によるプレゼンテーション |
パネルディスカッション |
国際会議は、各国の紹介を行う「プレゼンテーション」、8名のパネリストが壇上で討論を行う「パネルディスカッション」、全校生徒が少人数のグループに分かれて討論を行う「グループディスカッション」の三部で構成されており、各国の教育機関における寮生活の在り方をテーマに意見を交わしました。
プレゼンテーションの部では、カナダ、韓国、及び日本の学生が、各国の寮生活の特徴を発表しました。それぞれ習慣や文化の違いが表れていて興味深いものでした。
パネルディスカッションには、AJOCのマレーシア研修生とフィリピン研修生の2名もパネリストとして参加し、それぞれの意見を述べました。
パネルディスカッションの後、全学生が20人程度のグループに分かれて、グループディスカッションを行いました。このグループディスカッションは、今年初めての試みでしたが、英語で自分の意見を表現することに戸惑いながらも、海上保安官として求められている人間性やリーダーシップを養う場所である寮生活の意義について、積極的な討論が行われました。
グループディスカッション |
国際会議を終え記念撮影 |
2日間にわたり様々な意見が出され、議論し、会議は終了しました。閉会の際に、議長を務めた海上保安大学校の学生は次のように、この会議への思いを述べました。
「私たちは違う国で生まれ育ち、異なる環境の大学で学んできたけれども、同じゴールを持つことができると思います。海の平和と安全を守り、美しい環境を維持していくということです。この国際会議はそのスタート地点だと思います。そして、これからもこの国際会議が続いていくことを願っています。」
私たちAJOC研修生にも、同じことが言えます。私たちは海上保安業務に関する専門的かつ高度な研修を通じて、各国海上保安機関の体系や問題点を共有しあい、今後の業務に生かせるよう研修に励んでいます。今回、学生国際会議に参加することで、各国研修生相互の理解を図り、各国機関間の連携・信頼関係を発展させていくという本研修の意義を改めて思い起こさせ、噛みしめる機会になりました。
海上保安大学校では、6月25日から7月1日まで、カナダ沿岸警備隊士官学校、韓国海洋大学校から 合計4人(各国男女1名ずつ)の海上保安機関幹部候補学生を招き、学生国際会議等の国際交流プログラムを行いました。
このプログラムには、アジア海上保安初級幹部研修(AJOC)の研修生6人にも参加して頂きました。AJOC研修生は国際会議において、カナダ、韓国の海上保安関係機関の教育機関、文化等についての説明を聴講され、既に海上保安業務に従事した経験に基づき、学生とは異なる視点から各国学生との間で積極的な意見交換を行われました。また、特別授業、日本文化体験等にも招聘学生とともに参加されました。この国際交流プログラムを通じ、参加学生及びAJOC研修生との相互理解が深まり、今後の海上保安機関の連携強化にも繋がるものと考えております。
日本文化を体験 |
琴を演奏してみる |
[2013年6月21日] 制圧訓練を体験する
東京研修から戻ったあと、みんな疲れを感じてはいましたが、週末に充電しました。散髪し、洗濯し、運動して、リフレッシュして、海上保安大学校での新たな一週間に臨みました。
今週もたくさんの興味深い講義科目がありました。海上交通、船舶等設備、有害危険物質管理、海上保安に係る法律や政策などについてです。これらに加えて、研修生全員がわくわく、どきどきする実習がありました。それは、制圧訓練です。
1回目は、月曜午後にありました。研修生は各々に技術を持っていますが、海上保安庁の制圧術にたいへん関心がありました。開始前に、日本人研修生が礼式を教えてくれました。入口でのお辞儀や、先生に対する礼の仕方などです。海保大の学生と同じように取り組みました。まずは、研修生の先導で通常の準備運動をし、その後、後藤教官の指導で海上保安庁式の準備運動をしました。とても変わった且つハードなものでした。後藤教官はとても厳しい教官であるとはわかっていましたが、常に笑顔で、我々に丁寧に教えてくれました。
準備運動でストレッチする研修生 |
入念に準備運動する研修生 |
準備運動後、本格的に制圧訓練が始まりました。たくさんの意外な、且つ興味深いテクニックを習いました。手を掴む方法や、掴まれた手の解き方、相手から逃れる方法など、いずれも素晴らしいものでした。中には、訓練がきつい、つらいと思うこともありましたが、本当に訓練が好きになりました。私自身は、業務に大変役立つと思いました。終了後、みんな少しばて気味でしたが、充実感でいっぱいでした。
稽古する研修生 |
稽古する研修生 |
二回目は、金曜午後にありました。後藤教官から、新たな制圧術を習って、練習しました。前回よりは、上手にまた容易にできるようになりました。後藤教官が実演された、容赦なく襲ってくる相手から逃れる方法には、特に驚きました。とても簡単な方法なのですが、教えてもらうまでわかりませんでした。
休憩後、逮捕術部のメンバーと一緒に稽古しました。たくさんの若い男子学生や女子学生がおり、みなさんとても親切、且つユニークで、カンフーが得意でした。一緒に、カンフーや武道の稽古をしました。会話をとおして、彼らがとてもかわいらしく、また親しみやすいのがよくわかりました。残念なことには、時間があっと言う間に経ち、終わりの時間となりました。また一緒に稽古したいものです。
逮捕術部のメンバーと稽古 |
記念写真撮影 |
制圧訓練は二回だけでしたが、研修生はみんな大満足でした。制圧訓練は、我々にとって必要不可欠で、また大変役に立ちます。実務における知識と能力の向上に有益です。
最後に、後藤教官をはじめ、素晴らしい体験を得るのにご協力いただいた逮捕術部や海上保安大学校に大変感謝しております。ありがとうございます。
[2013年6月19日] 巡視船“おきつ”を見学しました
研修生は、海上保安大学校で実施されている潜水技術課程(潜水研修)の支援のため、清水海上保安部から派遣中の巡視船“おきつ”を見学しました。
“おきつ”は一昨年6月に就役したばかりの巡視船で、20ミリ機関砲や赤外線捜索監視装置などを装備した高速・高機能型巡視船です。海猿(潜水士)が乗船し、「救難強化指定船」として海難救助・人命救助など、主に駿河湾・遠州灘を中心に静岡県内の海で活躍しています。
通信長から業務説明を受けたあと船内を見学しましたが、最新鋭の巡視船だけに、海上保安業務が迅速且つ円滑に行われるように船橋等の配置が良く工夫されていました。
研修生にとっては、初めての巡視船見学であったので、巡視船の性能に関する質問が数多く出され、海上保安庁の最新の巡視船に対する関心は大きなものでした。
通信長による業務説明 |
“おきつ”の操舵室を見学 |
潜水器具の説明 |
船尾から推進器の見学 |
[2013年6月13日] 日本財団を訪問しました
研修生は東京研修最後の日に、日本財団の海野常務理事を表敬訪問しました。
最初に、研修生がひとりひとり、日本語も交えて自己紹介をしました。また、本研修に参加する機会を得たことに対する謝意と今後の抱負を述べました。
海野常務理事からは、研修生に対し次のような言葉がありました。
- 人は、他人から与えられたものより、自分で選択したものに誇りをもつものです。9カ月に亘るこの研修の機会は皆さんに与えられたものであるが、この与えられた環境の中で単に研修を受けるのではなく、自分で選択するという意識を常に持って、知識と経験を積み上げて欲しい。
- 皆さんが今回日本で得る知識と経験が、皆さんが将来成し遂げるであろう成果の基礎になれば幸いであります。
海野常務理事の言葉を受け、フィリピンから参加した研修生は、次のように述べました。
- 素晴らしい課題をいただきました。この研修を通じ、単に自分達の組織の能力向上に努めるだけではなく、より大きな意味で人々の役に立てるような人間になりたい。
最後に、海野常務から、この機会を活かすも殺すも皆さんの気持ち次第であり頑張って欲しい、という激励の言葉があり、訪問を終わりました。
海野常務理事を表敬訪問 |
研修生ひとりひとり自己紹介 |
日本財団の方々と記念撮影 |
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[2013年6月10 – 13日] 東京研修第二週目
研修生は、東京での素晴らしい週末を送ったのち、新たな気持ちで海上保安庁の本庁での第二週目の講義を受けました。
8日目には海上交通安全と海上警備の講義があり、海上保安庁が日本周辺海域の船舶交通をどのように管理しているか、また交通管理システムをどう利用しているかということについて学びました。
9日目の講義は、危機管理と国際犯罪についてでした。マレーシアと日本の研修生はこれらについての現場経験があり、関心を寄せていました。
10日目は、講義最終日です。インドネシアとフィリピンの研修生は、海洋環境・海上防災システムにたいへん関心がありました。彼らの日常業務に関連していたからです。大規模な海難の対応措置について、実践的な机上訓練が行われました。また、徳永教育訓練管理官による組織管理の講義もあり、孫子の「兵法」からマズローの理論まで、組織管理に関する話を聞きました。平和、安全、連携の強化に寄与するようにとの激励も受けました。
研修生は、教室内で海上保安に関する研修を受けるだけでなく、研修生それぞれの国々の文化についても学んでいます。その方法のひとつが、各国料理の紹介です。日本とフィリピン料理のあと、今回はインドネシア料理の番でした。東京で働くインドネシアの友人たちから、お台場にあるインドネシア料理店に招待してもらい、Lumpia、Martabak、Sate、Rendang、Kariといった料理をいただきました。歓談しながら、インドネシア料理と食文化を他の研修生に紹介することが出来ました。友人たちに感謝です。
インドネシア料理を囲んで文化交流 |
東京での最終日に、日本財団の海野常務理事を表敬訪問しました。研修生に対し温かい歓迎と激励の言葉があり、また大きな期待が述べられました。その中で、本研修の機会を活かすも殺すも研修生本人次第であり、主体的にものごとを選択していくことの大切さが示唆されました。これに対して、研修生からは、能力向上と連携強化のために、研修で習得した知識を最大限に活かすことができるように、懸命に学ぶという決意表明がなされました。
その後、新幹線でひろしま国際プラザのある西条へと向かいました。上京時に見ることが出来なかった富士山を見たかったのですが、残念なことに曇っており、帰路も見ることが出来ませんでした。いつか、富士山を見てみたい、登ってみたいと思います。
東広島に無事到着 |
初めての研修旅行は、東京で2週間だけでしたが、多くの知識と忘れられない経験を得ることができました。海上保安庁の職員の方々と、本研修旅行の実施に尽力いただいた方々に感謝致します。
[2013年6月3 – 9日] 東京研修旅行第一週目
東京研修に出発するにあたって、研修生は、ひろしま国際プラザを発つ時から緊張気味でした。今から行く東京での生活がどんなものか見当もつかなかったので、余計に緊張していたのです。
研修生は、研修コーディネーターと一緒に東広島駅から新幹線に乗車し、東京駅に着きました。5時間の旅は疲れましたが、初めての東京ということもあり、わくわくとした気持ちがみんなの表情から窺えました。2時に宿舎であるアジア会館に到着し、休む間もなく次のスケジュールに取り掛かりました。まずは、海上保安庁の本庁へ向かう電車の乗り方から学ばなければなりません。宿舎からは30分で行けますが、5分歩き、2本の電車に乗らなければなりませんでした。
海上保安庁では、江口海上保安機関支援業務調整官から歓迎と簡単な説明を受けたのち、長官表敬に臨みました。3時ちょうどに、長官が、次長、海上保安監その他の幹部の方と共に、我々を温かく歓迎してくれました。長官から激励の言葉をいただいたのち、各研修生が簡単な自己紹介をしました。また、研修生は、所属機関の将来やアジア海域の安全のために、知識と技術を向上させるべく、本研修に一生懸命に取り組む決意を表明しました。
2日目にはリーダーシップ、国際連携、広報についての講義があり、全員熱心に聴講しました。良いリーダーのあり方や国際連携の重要性について知識を深めるとともに、組織にとっていかに広報が重要であるかを改めて知ることができました。講義終了後に開かれた歓迎会でも、熱気が続いていました。徳永教育訓練管理官をはじめ、本庁の職員や来賓の方々と楽しいひと時を過ごすことができました。
海上保安監によるリーダーシップの講義 |
海上保安機関支援業務調整管による講義 |
3日目は、ベトナムの研修生は海上保安庁のインテリジェンスの講義に、インドネシアと日本の研修生は海洋情報業務の講義に、特に関心を寄せました。また、人事管理の講義では、部下との接し方に関する新たな視点と知識を得ました。
4日目には、海上保安庁の情報通信と海上犯罪取締についての講義があり、マレーシアと日本の研修生が、特に興味を持って聴講していました。
5日目には、情報通信の続きと、海難救助の講義が行われ、フィリピンの研修生が、特に関心を持っていました。
意見を述べる研修生 |
遭難者を背負って運ぶ実技指導も受ける |
待ち焦がれた週末には東京のいろいろな場所に行き、楽しみました。世界で最も高いタワーのひとつである東京スカイツリーにも上りました。多くの場所を訪れるためには、早起きすることも苦ではありませんでした。浅草、渋谷、銀座、皇居、秋葉原にも行きました。この経験をとおして、本研修の目的のひとつである研修生間の友好関係も強めることができました。
[2013年6月12日] 海上防災の机上訓練を受けました
研修生は、海上保安庁環境防災課国際係長から、約40年前に東京湾で発生した大規模海難を例にとった机上訓練を受けました。
「50,000総トンのLPGタンカーと10,000総トンの貨物船が東京湾で衝突、大火災が発生した」という想定で、最初に研修生は、次の任務を遂行するための業務実施計画を策定するよう指示を受けました。
①曳航用ワイヤーを取る ②両船を引き離す ③消火する ④乗組員を救助する ⑤付近航行船舶、及び地域住民に危険を知らせる
研修生は、配布された東京湾の海図を前に全員で意見を出し合い、まとめた対応措置をインドネシアの研修生が発表しました。
これに対し、講師から、ワイヤーの取り付け方法、付近住民への周知手段について不十分であるとの指摘がなされました。
また、「事態がさらに進み、タンカーが爆発を繰り返して陸地方向へ漂流中」という想定の下、研修生は、東京湾内でタンカーを座礁させる位置を選定しました。
これに対し講師から、東京湾の海上交通を考慮するようにという指導がありました。
最後に、講師から、40年前に発生したこの海難を契機に整備された法律、特殊救難隊など組織、消防船など船艇、資器材などの具体例が紹介され、机上訓練を終えました。
研修生からは、海難救助活動を現場で調整したことはあるが、このような大規模なものは経験がなく、非常に参考になったなどという意見が出されました。
机上訓練の途中からは環境防災課長の視察があり、研修生の熱心な様子に感銘したという言葉がありました。
国際係長から説明を受ける |
対応計画をまとめる研修生 |
対応計画をまとめる研修生 |
策定した計画を発表する研修生 |
講師から指導を受ける研修生 |
環境防災課長が講義の状況を視察 |
[2013年6月7日] 捜索救難業務の講義を受けました
研修生は、海上保安実務概論のひとつとして、海上保安庁救難課国際救難係長から捜索救難業務について講義を受けました。
最初に、海上保安庁の捜索救助業務の範囲、海難の発生状況、海難救助活動等について全般的な説明を受けました。また、海難救助は自助、共助、及び公助に分類され、それぞれどういう活動がなされているか、海上保安庁としてどう対応しているかということについて講義がありました。
次に海上保安庁の海難救助体制、潜水士、機動救難士、特殊救難隊という救助部隊の活動などについて、スライド、写真、ビデオ映像を使って、詳細な説明がありました。
最後に、海上保安庁職員も参加する国際緊急援助隊に関する説明があり、講義は終わりました。
研修生からは、海難発生から特殊救難隊など救助部隊出動までの手順、洋上で遭難者を捜索する方法、夜間漂流油を捜索する方法、航空機による捜索範囲等の決定方法などについての質問が出されました。
講義終了後、映像の中にあった遭難者を背負って運ぶ様子を講師自ら再現し、その際の注意事項を説明するという実技指導も行われました。
捜索救難業務について講義を受ける |
捜索救難業務について講義を受ける |
遭難者を背負って運ぶ実技指導も受ける |
[2013年6月4日] 海上保安実務概論の集中講義が始まる
海上保安の実務に関する集中講義が、海上保安庁で始まりました。
今回の東京研修旅行の目的は、海上保安庁の幹部及び各課の担当者から、海上保安庁が実施している業務全般について、体系的な説明を受けることです。
最初に、佐藤海上保安監からリーダーシップについて講義を受けました。船長としてあるべき姿を問われた研修生は、「他の乗組員の意見を聞き、正しい決定をすること」、「船の心と頭脳であること」、「他の人の手本」などと答え、その内容に講師も感心しておられました。
次に、江口海上保安機関支援業務調整官から、海上保安庁の組織、所掌などについて講義を受けました。研修生は、講師からそれぞれの所属組織について質問を受け、議論をすることにより、改めて海上保安機関の在り方について学ぶことが出来ました。
今回の集中講義は6月12日まで続き、研修生は、海上犯罪取締り業務、国際犯罪・海賊対策、警備業務、捜索救難業務、環境防災業務、海上交通安全業務、情報通信業務、広報業務などについて、基礎的な知識を体系的に習得します。
リーダーシップについて講義する海上保安監 |
活発な議論を進めて講義する海上保安機関支援業務調整官 |
[2013年6月3日] 海上保安庁を表敬訪問しました
研修生は東京研修開始に当たり、海上保安庁を表敬訪問し、海上保安庁長官始め幹部の温かい歓迎を受けました。
最初に、海上保安庁長官から次のような激励の言葉がありました。
- 世界の経済の中心は西から東へ、北から南へ移っていると言われており、今後皆さんの国は、経済的に重要な国になる。国が発展するためには安定した海洋環境が不可欠である。海はボーダレスであるので、近隣の国が良い関係を築き、一緒に行動して行くことが必要である。将来の海上保安機関を担っていく皆さんが、この研修を通じて良いネットワークを築いていくことは有意義である。
- この研修を通じて、日本の海上保安庁の良いところ、それぞれの国に適用出来るところを持ち帰り、各国の海上保安機関の能力向上に役立ててもらいたい。
- 来年2月まで日本に滞在する中で、仕事以外のことについても色々経験して欲しい。
- この研修が有意義なものになることを心から願っている。
最後に、インドネシアの研修生から記念品を長官に贈り、表敬訪問を終了しました。
海上保安庁を訪問 |
長官挨拶 |
研修生自己紹介 |
長官に贈りもの |
海上保安庁幹部と記念写真 |
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[2013年5月30日] 潜水研修を見学
研修生は、海上保安大学校で実施されている潜水研修を見学しました。
この研修は、海上保安庁の潜水士を養成する研修で、全国から選抜された14人の精鋭が研修生として参加しています。また、この潜水研修は、ヒット作となった映画「海猿」第1作でも取り上げられ、ロケもこの地で行われました。
AJOC研修生は、はじめにプールの上から訓練全体を見学しました。そのあと、水深5mの水底で網やロープに絡まった状態となり、且つ呼吸器も外されるといった妨害からバディと協力して離脱する「妨害排除訓練」等を、監視窓から見学しました。
見学後の感想は、研修生一同、極めてタフな訓練で見ているだけで息が詰まるというものでした。
プール上から見学 |
監視窓から「妨害排除訓練」の見学 |
バディと協力して離脱 |
[2013年5月29日] バスケット部の学生と交流
研修生は、海上保安大学校学生との交流活動の一環として、バスケット部の練習に参加しました。
校内の体育館に集まった研修生と学生は、始めに、自己紹介を学生は英語で、研修生は覚えたての日本語混じりの英語で行い雰囲気が柔らかくなりました。
その後、研修生と学生が入り混じった2グループに分かれて練習試合を行いました。試合は激しく白熱した展開になりましたが、流石日頃鍛えているコーストガードの若手士官だけあって、学生の速い動きにも負けずについていきました。
20分の試合終了時には精根尽き果てたという感じでしたが、いい汗を流したあと、お互いにエールを交換し、一緒に記念写真を撮りました。
日本語混じりの英語で自己紹介 |
2グループに分かれて練習試合 |
白熱する試合 |
みんなで記念撮影 |
[2013年5月24日] サーカー部の学生と交流
研修生は、海上保安大学校学生との交流活動の一環として、サッカー部の練習に参加しました。
校内のサッカーグラウンドに集まった研修生と学生は、最初に思い思いの自己紹介で気分を和ませました。次いで、指導学生が当日の練習メニューを説明し、全員で入念な準備運動を行ったあと、研修生と学生が入り混じった2グループに分かれて練習試合を行いました。
最初は遠慮がちだった研修生も、次第に熱が入ったようでした。当日は、真夏のような気温でしたが、暑い国から来た研修生は、水を得た魚のように、広いグラウンドを駆け回って大熱戦が繰り広げられ、大汗をかきながらの熱い交流となりました。
スポーツウエアに着替えて |
練習前のミーティング |
まずは準備運動から |
2グループに分かれて練習試合 |
[2013年5月27日] 「被服点検」を見学
研修生は、海上保安大学校の「被服点検」を見学しました。この「被服点検」は、学生が貸与された被服、寝具等の保管状況や遺失の有無などを点検するために年2回行われているものです。
学生は貸与物品を学生寮のベッドの上に決められた順に並べ、一つ一つ指導教官に緊張した面持ちで報告していました。
多くの研修生は、自国で同様の教育・訓練を体験していることから、点検要領等の比較をする機会をもてたことは有意義でした。
「被服点検」用意の号令 |
「被服点検」を見学する研修生 |
[2013年5月23日] カントリー・ジョブレポート発表会
開講式の翌日、研修生は研修の最初に、予め準備してきたスライドを使い、それぞれの海上保安組織・業務の状況を発表しました。
発表会は、海上保安大学校長ほか海上保安大学校の先生も傍聴し、活発な質疑応答がなされました。
発表するフィリピンの研修生 |
発表するインドネシアの研修生 |
発表する日本の研修生 |
発表する日本の研修生 |
発表するベトナムの研修生 |
発表するマレーシアの研修生 |
[2013年5月22日] 開講式が開催されました
インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、及び日本の海上保安庁から選ばれた研修生6名が参加する第3回アジア海上保安初級幹部研修の開講式が、海上保安大学校で開催されました。
式では、眞嶋・海上保安大学校長から、「国際化が進む中で、海上保安機関間の協力は重要である。この研修を通じて信頼関係が構築されることを期待する」との訓示がありました。
天谷・海上保安庁総務部長、石橋・海上保安協会理事長あいさつのあと、研修生を代表し、マレーシアの研修生が、「海上保安業務に関する知識を習得するとともに、他の研修生との相互理解を深めたい」と宣誓しました。
大学校長訓示 |
海上保安庁総務部長挨拶 |
海上保安協会理事長挨拶 |
研修生代表宣誓 |
記念写真 |
開講式に先立ち、これから交流を深める海上保安大学校の在校生との対面式が行われました。研修生はそれぞれ自己紹介を行い、在校生代表から歓迎の言葉を受けました。
自己紹介をする研修生 |
歓迎の言葉を述べる学生代表 |
開講式のあと、練習艇「いつもり」に乗船し、海上保安大学校前面の呉湾を音戸の瀬戸まで体験航海しました。
練習艇「いつもり」艇内で説明を受ける研修生 |
「音戸の瀬戸」を通過 |
夕刻から歓迎レセプションが開催され、海上保安庁総務部長、海上保安大学校長ほか教職員、在校生と楽しいひと時を過ごしました。
副校長挨拶 |
研修生自己紹介 |
出席者と歓談 |
出席者と歓談 |
出席者と歓談 |
出席者と歓談 |
出席者全員と記念写真 |
写真をクリックすると大きくなります |
[2013年5月15日] オリエンテーション
研修生はひろしま国際プラザにおいて、研修の意義・目的、研修の内容等について説明を受けました。
また、(公財)ひろしま国際センター職員の案内で、館内施設を見学しました。
研修の目的について説明 |
研修の内容について説明 |
体育館を見学 |
[2013年5月14日] 海外の研修生来日
海外の研修生が来日しました。
インドネシア、マレーシア、フィリピン、そしてベトナムの海上保安機関から招へいされた4名は、成田空港を経て、日本での滞在先である広島国際協力センター(通称「ひろしま国際プラザ」)に入りました。
フィリピンから(成田空港) |
ベトナムから(成田空港) |
マレーシアから(成田空港) |
インドネシアから(成田空港) |
全員広島空港到着 |
[2013年5月8日] 第3回アジア海上保安初級幹部研修の研修生が決まりました
6名の研修生が決まりました。
今回は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、及びベトナム各国から1名ずつ招へいされ、日本の海上保安庁からの2名とともに研修に参加します。
海外の研修生は5月14日に来日し、研修開始までの間、日本での生活などに関しオリエンテーションを受けます。
海上保安庁から参加する2名は既に研修場所である海上保安大学校に着校し、研修の準備を手伝っています。また、研修開始直後に行われる各国海上保安事情の説明に向け、資料の準備やプレゼンテーションの練習に余念がありません。
—日本の研修生から—
Satoshi
Hello. I’m Satoshi Yamamoto. I’m glad to participate in this program.
I’ll do my best to broaden my thought regarding coast guard system. And I would like to establish good relationships with other members.
We are looking forward to arrival of the other countries’ participants.
Yudai
I look forward to their arrival so that everyone gathers, and the program starts.
During the short period for nine months, let's do our best so that it will be a wonderful experience.
海上保安大学校正門にて |
プレゼンテーションの準備 |